思い出すと幸せになれる時間

大学生のころ週に1〜2度泊めてもらう友達がいた。

彼女はひとりっ子だった。

私達はまるで姉妹のようだった、学科は違ったけれど沢山の時間を一緒に過ごした。

それぞれの課題をこなして夕食を取り

パジャマを借りて一緒にシングルのベッドで眠った。

好きな動画をみたりケーキを食べたり朝ごはんを作ってもらったりした。

食パンを砂糖と一緒にフライパンで焼いてくれたのが、甘くてなんだか幸せだった。

髪を乾かしてもらったりマニキュアを塗ってもらったり眉毛を描いてもらったりした。

私が遅く起きた日は鍵がテーブルに置いてあって

メモに「ポストに入れておいてね」と書いてあった。何度かあった。誰かの家に泊まってそんなに寝続けられたなんて嘘みたいね。

低血圧の私はなかなか起きることができなくて休みの日に「暇だから起きて」と言って起こしてきてそれでも私が起きないと甘いカフェオレを淹れてくれたりした。

その時期私は誰かと一緒にいたかったし

彼女といるとふざけたりゆっくりしたりすごく自然で楽しかった。

 

低気圧のせいか何かで頭が痛くなったことがあった。

それはどうしようもないもので、珍しいことでもなく、次の日には治るものだったけれど、私はしばらく痛い、もう無理かも、とかなんとか言っていた。

そうしたら、ちょっとここに座って、と言いインターネットで調べて頭のマッサージをしてくれた。頭が痛い日にたまにふとそれを思い出して嬉しくなる。

 

結婚して遠くに住んでいるからなかなか会えなくて寂しい。けど元気でいてくれたらそれでいいよ、また会おうねぇ。