宝石の話

ワインとチョコレートの中間のような色を爪にのせた。外のベンチでアイスクリームを食べた。ひとりでピンク色のクリスマスツリーを眺めた。タイタニックを観て少し泣いた。

 

アイススケートをしたい。イルミネーションを見に行きたい。冬の美しいところを全部味わいたい。

 

わたしのことを、全然だめだと思いながら好きでいてほしい

 

 

ワインとチョコレートを混ぜたようなネイル、この前おかあさんが買ってくれたディオールの口紅と同じ色をしていた。爪と唇が同じ色だなんて、かわいいよね。ワインもチョコレートも色っぽいし。冬が嬉しい。オレンジ色に近い茶色の、ラメラメの入った口紅も重ねてつけるのが気に入っている。あまい、バニラのような匂いがする。きらきらであまあま

 

“They say women are more likely to buy a lipstick if it is named after food or sex.”

 

チョコレートの香りのハンドクリームを買った。清潔感のある花の香りのものは、良い女っぽい、会社でその話をした。その後わたしは甘ったるい匂いのものを選んだ。

 

 

宝石にまつわる話を2つします。

1.この前の結婚式に、一緒に行ったお友達がパールのネックレスをしていた。それは彼女のおばあさんから貰ったものらしい。首につけると少し長かったためパールを2粒ぬいてもらい、その2粒をピアスにした、「今つけているこのピアスがそれだよ」と教えてくれた。受け継がれた一本のネックレスからピアスが作られてお揃いで付けているのがすごく素敵で可愛かった。バスの中でそんな話を2人でしてとても幸せな気持ちになった。あたたかく、美しく、お洒落、品があって知的だよね。

 

2.小学1年生のころ、まるで姉妹のように毎日一日中ずっと一緒に過ごした子がいた。学校でも一緒、放課後もその子の部屋でずっと一緒にいた。目覚まし時計の上にいつも石が置いてあって、まだ6歳のわたしが尋ねると、「これは磨かれる前のオパールだよ」と教えてくれた。彼女のお父さんは宝石屋さんだった。わたしもそのおとうさんが大好きだった。夜帰ってくると、いつも私達2人にお菓子なんかをくれた。わたしは妹がたくさんいて両親に対して少し寂しい気持ちを抱いていたので、ひとりっ子で、いつも愛情を独り占めにして、特別な石を貰って、それを大切にしている彼女がたぶん羨ましかったんだと思う。その頃わたしはオパールなんて初めて聞いたものだったし、当時のことはほとんど覚えていないのに、そのことも、オパールの名前も、はっきり覚えている。幼い娘に宝石を与えるおとうさん。